世の中にはさまざまなトレーニング方法がある。「ベンチプレス」「スクワット」「デッドリフト」といったいわゆる王道のメニューから「インクラインサイドレイズ」「コンセントレーションカール」なんていう少しマイナーなメニューなど多岐にわたる。
本来トレーニングは多くの筋肉が動員される前者のトレーニングを基本に行うのが理想的だ。しかしジムに行きいわゆる初心者のトレーニングを見てみると後者のマイナートレーニングを採用している人が多い。
その理由として挙げられるのはSNSの普及だ。多くのインフルエンサーは注目を集めるために変わり種の種目を多く紹介する、もちろん効果がある種目も多く存在するがトレーニング経験の浅い初心者が取り組むのはお勧めできない。
そんな私も筋トレ歴1年目は5分割でマイナーな種目ばかり行っていた。もちろん身体の変化は今思えば少なかったと思う。
↓インクラインサイドレイズ大好きもやし

初心者はコンパウンド種目に取り組むべきだ。
今回はコンパウンド種目のメリットとどのようにトレーニングを行えばいいか解説し、最後には即実践できる筋トレプログラムも書いてある。
今回の記事はこんな人におすすめだ。
・トレーニング初心者でどのように取り組めばいいかわからない
・いまいち身体が変わらない
ぜひ見ていってください
コンパウンド種目を行うメリット
トレーニングにおける利点
コンパウンド種目とは多関節種目といい多くの関節が動く筋トレのことだ。
「ベンチプレス」でいうと肩関節や肘関節の動きがある。

なぜ初心者はコンパウンド種目を取り入れるべきなのか
この問題を考えるにあたっての要点は「特異性の原則」だ。
特異性の原則とは、
人体は与えられた負荷に見合った適応をするという原則だ。
トレーニングには特異性の高い種目と低い種目が存在する。どういうことかというと特異性の高い種目を鍛えたとしたら、低い種目の使用重量は伸びる。しかし特異性の低い種目を伸ばしたとしても高い種目は伸びにくい。
その中で特異性の高い種目に当てはまるのがコンパウンド種目というわけだ。
ベンチプレスを伸ばせばダンベルフライは強くなるが、その逆は少ないと言うことだ。
特異性の高い種目の共通点
特異性の高い種目には多くの筋肉が動員されるという特徴がある。このように多関節種目と単関節種目では動員される筋肉の違いは一目瞭然だ。


もちろんどちらの種目を行っても筋力や筋肉量は向上する。しかし多関節種目の方が多くの筋肉に刺激を与えることができ結果としてより早く成長することができ効率的だ。
未経験者を対象にした研究では、
多関節種目と単関節種目で筋力の向上は「行った種目に特異的」に現れたと報告されている(Gentil et al., 2020)。
このことから、初心者は全身の筋力を効率よく高めるために多関節種目を優先すべきと考えられる。
ホルモン系における利点
ホルモン系においてもコンパウンド種目の方が成長ホルモンが出る、テストステロンの分泌が増えるなどと言われているが実際はどうなのだろうか。
Fry et al., 2022
トレーニング経験者を対象に、
多関節フリーウェイト種目(スクワット)と単関節マシン種目を比較した研究では、
多関節フリーウェイト種目の方がテストステロンや成長ホルモンの反応が大きかったと報告されている。
この実験からもコンパウンド種目がテストステロンや成長ホルモンの反応が多く筋肥大において多くの利点があるとしている。
なぜコンパウンド種目でホルモン分泌が促進されるのか
一般的にコンパウンド種目はアイソレーション種目(単関節種目)に比べて重い重量を扱う。
そのため身体は強いストレスにさらされ「生命維持に関わるストレス」と認識する。
さらに重い重量を上げるため大きなエネルギーを必要とすることや、重さと対峙することに際しての興奮がより多くのホルモンを分泌するとされている。
初心者におすすめコンパウンド種目
ベンチプレス
手っ取り早くゴツくみられたいならこれだ!!
主なターゲット 大胸筋、三角筋、上腕三頭筋
ベンチプレスは画像にある通り、身体を前から見た時に目立つ筋肉を優先的に鍛える。
いい身体になりたいと思う人はまずベンチプレスを強くなることのみを意識してみてもいいだろう。
重量が伸びるにつれ赤で囲った部位が成長していくはずだ。


スクワット
達成感が桁違い!筋トレで必要な忍耐がつく
主なターゲット 大腿四頭筋、大臀筋
人間の身体の7割を占める下半身の王道種目。脚は目立たないからと脚トレを行っていない人も多いのではないだろうか。
しかし、私は脚トレを行うことをおすすめする。
理由は、強くなれるからだ。
上半身と比べてはるかに扱える重量も重く、精神的にも辛い。
それに立ち向かうことで人間として強くなれる。それは経験した人にしかわからない。
騙されたと思って取り組んでほしい。

デッドリフト
デッドリフトが強い人で弱そうな人はいない。
主なターゲット 大臀筋、ハムストリングス、脊柱起立筋
デッドリフトは筋トレの中でも日常生活で人間が一番行う動作だ。
重いものを持って立ち上がる。
この筋トレは「どこに効かす」といった狙い撃ちの種目ではない。
しかし全体的に強くなれる種目だ。
デッドリフトが強い人で弱そうな人はいないとよく言われる。
デッドリフトを強くすることで男らしく、強くなれる。

懸垂
身体の前がベンチだとしたら、後ろは懸垂だ
主なターゲット 広背筋、大円筋、上腕二頭筋
懸垂は身体を後ろから見た時の筋肉に大きく関係する。
ものを十分の方向に引く動作なので日常生活の動作にも関係してくる。
どれだけ前を育てても後ろが弱いと台無しだ、ぜひ背中も鍛えよう。

ショルダープレス
この種目は肩幅を広げ男らしい体づくりに貢献するぞ。
主なターゲット 三角筋、上腕三頭筋
この種目はダンベルを鼻くらいの高さから頭上まで上げ下げする種目だ。
ここでは三角筋全体を鍛えることができ、より広い肩幅をつけることができる。

理想的なトレーニング頻度
初心者の場合は週に2〜3回このそれぞれの種目に取り組む必要がある。
しかし今のトレンドは分割法といて週に1回ほどしか1つの部位(三角筋、大胸筋、広背筋など)を鍛えないやり方だ。
このやり方は1回のトレーニングでその部位を強く追い込むことのできる上級者向けの方法と言える。
筋トレ初心者は自分で追い込めているつもりでも、上級者ほどの追い込みは不可能だ。そのため種目1つ1つの頻度を高めることで、練度を高めるとともに扱える重量をとりあえず増やすということをひたすら行う方が効率的だ。
大事なことなのでもう一回言う。
扱える重量をとりあえず増やすことが重要だ。
漸進性過負荷の原則(プログレッシブ・オーバーロード)
漸進性過負荷の原則とは、
筋肉や身体にかかる負荷を少しずつ増やしていくことで成長を促すという、筋トレの最も基本で重要な原則です。
トレーニーなら覚えておいてほしい
プログレッシブ・オーバーロードだ!!
なぜ高頻度の方が良いの?
結論としては筋力はトレーニングをしないと2〜3日で低下するためだ。
Mujika & Padilla, 2000のレビュー研究では、
トレーニング停止後1週間以内に見られる筋力低下は、主に神経適応の低下によるものである。
と報告されている。
また、Häkkinen & Komi, 1983の研究でも、
筋力低下の初期段階では、筋断面積の変化よりも神経系活動の低下が主な要因となる。
と示されている。
初心者は脳から筋肉への指令がうまくいかずに筋力を十分に発揮することは難しい。
しかし筋肉をつけるには、大きな負荷を筋肉にかける必要があるため、筋力を発揮できないと筋肉への刺激は十分でない。
神経系活動の低下を最小限にし、扱える重量を伸ばしていくために頻度を高く保つことは、筋トレ初心者において不可欠と言える。
初心者向けおすすめ筋トレプログラム
実際どのようにトレーニングプログラムを考えて行けばいいのだろうか。
ここに私のおすすめのプログラムを掲載する。
1週間のうちにDay1〜Day4を行う、あまりの三日は好きなタイミングで休んでいい。つまり週4日のトレーニングだ。
休みは好きなタイミングで挟んでもいいと言ったが3日連続の休みなどは神経系活動の低下の点からはできるだけ控えてほしい。

回数としては一番フレッシュな状態の1セット目にこの範囲内で収まる重量を選んでほしい。
スクワットで例えると、1セット目が8回できた、2セット、3セットと数をこなしていって4回しかできないとしてもそれは問題ない。
あくまで1セット目で目安の回数ができる重量にしよう。
注意として5セット終える前に1回も上がらないとなったら目安の回数できる重量まで落とそう。
インターバル
インターバルに関してはどれくらいがいいのか。
結論は自分の体感で全力を出せるだけ回復したらでいい。
それならとことん休んだ方がいいよと思う人もいると思うので1つ大切な話をする。
筋トレはボクシングの試合だと思え
全力でオモリを上げるこれはボクシングの試合中のイメージだ。
その後の休憩時間、ボクサーは水を飲んだり、呼吸を整えたりするが常に緊張感を持ったままだ。
筋トレの休憩時間も同じで緊張感を抜かずに、自分の呼吸が落ち着き乳酸がある程度ぬけ他段階で次のセットに入るようにするといい。
ここで休みすぎると闘争心が冷めいい筋トレを行うことができなくなってしまう。
身体は休めるが、心は集中している状態を目指してほしい。
厳密に時間を測る必要はない。身体と心を意識してほしい。
必要な装備
パワーベルト
このトレーニングプログラムを行う上で最低限揃えておいてほしい装備を紹介する。
これはパワーベルトといい、ベルトを装着すると腹圧が高まりスクワットやデッドリフトで腰を守ることができる。
腹圧って何?
腹圧とは腹腔内圧といい、お腹の空間を固め圧力を高めることで背骨を守ることを言います。
腹圧がかかっていない状態で重いものを持ち上げると怪我にもつながるため十分な腹圧をかけることが重要である。
リストラップ
デッドリフトや懸垂を行うと先に握力が限界に達したり、余計な力みが発生してしまい思ったように負荷を筋肉にかけることが難しくなる。
パワーグリップは握力を補助してくれ、トレーニングの効率が飛躍的に向上する。ぜひ試してみてほしい。
まとめ
トレーニングを行うとそのトレーニングで鍛えられる部位が成長する。
そのため全身が未発達な初心者はコンパウンド種目を重点的に行い鍛えることが効率的だ。
そしてより大きな重量を扱える方が筋肉は発達するため、神経系の活性を低下させないためにも高頻度で行うことをおすすめする。
初心者は多くの筋肉を刺激できるコンパウンド種目を高頻度ですればいいんだね
ある程度重量が扱え、細かい部位を鍛えたく感じてきてから種目を変えていくことを検討しよう。


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