夜中に目が覚めてしまう、そんな経験がある人は多いと思う。本来人間は熟睡している場合、わずかな音や尿意はブロックされ目覚めることはない。しかし目が覚めてしまう人はこの機能がうまく働いていないかもしれない。この機能は複雑であるがステップを踏んで最適化すると皆さんの睡眠はより良いものとなるため最後まで見てほしい。
この記事はこんな人におすすめだ。
・夜中目覚めてしまう
・夜中トイレに起きてしまう
・なかなか寝付けない
ぜひ見ていってください。
神経のブレーキ「マグネシウム」
マグネシウムが興奮を抑える!?
神経には交感神経(興奮)と副交感神経(鎮静)が存在する。
交感神経の受容体である「NMDA」このゲートが開くと人間の身体は覚醒する。この「NMDA」を開くには「グルタミン酸」と「グリシン」が必要だ。夜間に覚醒してしまう人はこの「NMDA」が開きやすい状態になっているということだ。
しかしこのゲートには「マグネシウム」というストッパーが存在する。これが睡眠中の覚醒を防ぐ第一の鍵だ。

物理的に神経興奮を抑制してくれているんだね。
マグネシウムを十分量摂取すると
ではマグネシウムを十分に摂取すると睡眠はどう変わるのか。
2012年の実験で不眠に悩まされる高齢者46人を対象にマグネシウム群、プラセボ群それぞれに分け、8週間毎日マグネシウム500mg、プラセボを投与した。その結果マグネシウム群では
・睡眠時間の優位な延長
・中途覚醒の減少
・入眠潜時の短縮
・メラトニンの増加、コルチゾールの減少
が報告された。
不眠症高齢者を対象とした無作為化二重盲検試験では、マグネシウム補給(500 mg/日、8週間)により中途覚醒の減少、睡眠時間の延長、入眠潜時の短縮が認められた(Abbasi et al., 2012)。
この効果は、Mg²⁺がNMDA受容体を介した神経の過剰興奮を抑制し、夜間の脳覚醒を防ぐことによると考えられる(Paoletti et al., 2013)。
この実験からマグネシウムの補給が深い睡眠に関わりがあることが考察される。
アクセル&ブレーキ「グリシン」
NMDAの開くだけでないグリシンの働き
冒頭でグリシンは興奮に関わる「NMDA」を開く働きがあると紹介した。しかしグリシンにはアクセルとブレーキの働きがある。
グリシンがどう働くかは作用する受容体の種類と場所により変化する。
アクセルとして働く場合はNMDA受容体の保因子として働く。
しかしそれ以外の働きも存在する。
ブレーキとしてグリシン受容体と結合すると興奮を抑制する。その効果として脊髄において排尿反射を抑制する働きがあり、夜中尿意で目覚めることを防ぐ働きがある。
グリシンは抑制性グリシン受容体(GlyR)を活性化して神経活動を抑制する一方で、興奮性NMDA受容体の共作動物質として作用し、神経興奮を増強するという二重の役割を持つことが知られています(Xu 2010)。

グリシンをブレーキとして働かせるには
ではこの二面性のある「グリシン」をブレーキとして働かせるにはどうしたら良いのだろうか。
答えとしては「グリシン」を抑制系の「グリシン受容体」に結合させれば良い。そのためには「NMDA受容体」との結合を防ぐ必要がある。そこで登場するのが先ほど紹介した「マグネシウム」だ。マグネシウムはNMDA受容体のブロッカーであり、マグネシウムを十分に補給することでグリシンがグリシン受容体と結合する。その上で十分な量「グリシン」を補給することで興奮系を抑え、深い睡眠を獲得し、夜間の排尿も抑えることができる。
マグネシウムを十分摂取した状態でグリシンが活きるというわけだ。
興奮物質「グルタミン酸」を変換!?
最後に残るのは冒頭で紹介した交感神経である「グルタミン酸」だ。人の体内には「グルタミン酸」を副交感神経である「GABA」に作り替える働きがある。
しかしこの過程では「活性型ビタミンB6」が必要である。
グルタミン酸から抑制性神経伝達物質GABAへの変換は、グルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)によって行われ、この反応には活性型ビタミンB6であるピリドキサールリン酸(PLP)が必須の補酵素として働くことが知られている。
ビタミンB6(PLP)が低下すると、脳内GABA合成が減少し、神経の過興奮が起こることが報告されている。
このことから活性型ビタミンB6を十分量補給することで、興奮物質である「グルタミン酸」を抑制系の「GABA」に変換できることがわかる。
活性型ビタミンB6でグルタミン酸をGABAに変換だー!

実際どのように使用すればいいの?
深い睡眠を得るためには、これまで紹介した栄養素を正しい順番で組み合わせる必要がある。

マグネシウムの摂取
NMDAの受容体をブロックするマグネシウムは一番の鍵だ。ここが外れない限り、脳は覚醒状態に入らないため多めに摂取してほしい。
商品としてこのグリシン酸マグネシウムをお勧めする。
就寝1時間前に3〜6粒ほど摂取しよう。
グリシンの摂取
二面性のあるグリシンは、マグネシウムでNMDA受容体をブロックしている段階で摂取すると、グリシン受容体と結合して抑制方向に働く。
他に体内で「コラーゲン」「グルタチオン」「クレアチン」などの材料にもなるため、ぜひ摂取してほしい。
就寝1時間前に3〜5粒摂取しよう。
活性型ビタミンB6の摂取
活性型ビタミンB6に関しては就寝の2〜3時間前に摂取してほしい。その理由としては、事前にグルタミン酸をGABAに変えておくことで副交感神経優位な状態にしてスムーズな睡眠に誘導するためである。
就寝2〜3時間前に1粒摂取しよう。
まとめ
今回は睡眠を最適化するため「交感神経」「副交感神経」に注目したサプリメント戦略について解説した。
マグネシウムで興奮をブロックし、副交感神経系のグリシン受容体にグリシンを結合させ、興奮物質であるグルタミン酸を活性型ビタミンB6でGABAに変換する。
このような神経のプロセスに沿ったサプリメント戦略を通じて皆さんの睡眠がよりよくなることを願っています
睡眠を最適化するのは複雑でいろんな栄養素が絡み合っているんだね。
単体のサプリ摂取では不十分だ。科学的流れに沿って取り組むのが一番近道だと思うぞ。

